ＭＮＬゲーム館－やられゲームレビュー「電脳戦隊ラヴィアンスリー」

RAM	640KB
グラフィック	要１６色＋アナログディスプレイ
FDD	要２ドライブ（ＲＡＭドライブ有なら１ドライブ可）
サウンド	MIDI(CM32),サウンドボード(PC-9801-26K)
その他	要バスマウス

キャラ名	登場形態	表現形態	セリフ	音声	登場個所
電脳兵１	集団	２Ｄ・２Ｄキャラ	有	無	１～９面
電脳兵２	集団	２～９面
ベルチナ	単独	９面
ホワイトキャット	単独	８面
リゼイ	単独	１面
リゼイ２	集団	７面以降
Ｐテクト	集団	４面以降

評者：トリスタン様／評価★★★★

　キャラクターを動かして各面の条件をクリアしていくターン制シュミレーションＲＰＧ。倒し方によって、ボスのみならず、ザコのアーマー破壊画像も見られます。操作性はいまいちだしテンポが遅いので、ヤラレに興味がなければ、絶対に最後までプレーしようという気にはならないでしょう。また、ソフト路線ですので、ヤラレが好きでも物足りなく感じる方は多いかも。
　しかし、敵を倒す瞬間には妙なリアルさがあり、画面一杯に表示されるアーマー破壊（by 如月薫さん）のグラフィックも迫力があります。

ストーリー概略

　電脳世界の闇の中で善悪のそれぞれの意識が生まれ、電脳世界の支配を企む悪の意識とそれを阻止しようとする善の意識ラレースの戦いを始めた、というのが基本ストーリー。ラルファイはレムリア帝国を建国、ラレースは純な心を持つ女子高生３人を「電脳戦隊ラヴィアンスリー」にしたてて応戦します。プレーヤーは「ラヴィアンスリー」を操り、レムリア帝国の電脳獣、電脳兵を倒していくことになります。

ゲームの進め方

　ゲームの進め方は単純です。教室、荒野、レムリア帝国の要塞など立体マップの上で味方キャラを動かし、隣接している敵に「パンチ」または「キック」の攻撃をしかけて倒していきます。各キャラには必殺技があり、レーザーなどによる遠距離攻撃が可能。敵も積極的に攻撃をしかけてきます。ザコは必殺技で倒したときのみ、ご褒美画像が見られます。
　しかし、注意すべきは、「気力」というパラメータ。行動のたびに減っていき、むやみに攻撃をしかけているだけではやがて動けなくなってしまいまから、ところどころで休息を入れながら、じっくりと攻めていく必要があります。気力がなくなるとザコにも簡単にやられてしまうことがあり、ここがこのゲームの難しさといえそうです。　基本的にはボスを倒すと面クリア。１面につき50ターンの猶予があります。攻撃のヒット率が低いので、クリアには意外と時間がかかります。

やられキャラ

　MNL的な分類をすれば、敵キャラクターは４種類に分けられます。

①女ボスキャラ（ベルチナ、ホワイトキャット、リゼイ）
②女ザコキャラ（電脳兵１、電脳兵２、Ｐテクト、リゼイ２）
③洗脳系電脳獣キャラ（ローズ、カマキル、ドリモグほか）
④男ボスキャラ（ラルファイ、アルギレイア将軍）

　このうち④は当然対象外。③は微妙ですが、一般人が洗脳されたものであり、倒されたあと意識を取り戻して改悛するので、興ざめ。①と②について説明します。

ベルチナ 登場面…９面（ボス）: レムリア帝国の女幹部。金髪に赤いボンテージルックというベタベタのいでたちは失笑を誘います。武器は鞭。
ホワイトキャット（中ボス） 登場面…８面: レムリア帝国の幹部、アルギレイア将軍の片腕。ネコを擬人化したような姿から、今も昔も一定のファンを持つ「ネコミミ」キャラに分類されます。ぬいぐるみのような体型をしながらも、悪そうな顔つき。
リゼイ 登場面…１面（ボス）: レムリア帝国が作り上げた電脳獣。「獣」とは言っても、どこから見たって人間の少女。真っ赤なオサゲ髪と幼稚なルックスに似合わぬものものしいアーマーが特徴です。ほかの電脳獣はすべて一般人が洗脳されたものですが、リゼイだけは生粋のレムリア生まれのようです。
リゼイ２ 登場面…７面以降すべて（ザコ）: １面のボス、リゼイの量産型。グラフィックは同じ。かつてのボスが量産されて、ザコに転落、しかもちょっと弱くなっています。
Ｐテクト 登場面…４面以降ところどころ（ザコ）: 移動せずに、縦横の軸が合致すると遠距離攻撃をしかけてきます。見た目は、銃眼のついた盾のオバケ。しかし、倒すとかわいい顔とハダカが拝めます。
電脳兵２ 登場面…２面～９面（ザコ）: レムリア帝国の兵隊。全身とげとげしい金属のアーマーで覆われ、猫背でのしのしと歩く姿は、勝手な想像ですが海底人か地底人のよう。これも倒して初めてかわいい顔を見せてくれます。レベルが上がってもこちらの攻撃はなかなか当たらないので、イヤな相手です。
電脳兵１ 登場面…１面～９面（ザコ）: レムリア帝国の兵隊。頭部にはパソコンのマウスに似たマスクをかぶり、首から下は緑色のビニールスーツ、足はブカブカの長靴。おまけに猫背。説明しただけでもかなりカッコ悪そうですが、実際マヌケないでたち。いちばんのザコだからしょうがないか。やはり、倒すとかわいい顔が見られます。

　やられシーンは、基本的にグラフィックと「いやーん」と言った単調なセリフのみ。むしろその直前のゲーム画面に味があると言えるでしょう。ヒットポイントがなくなった瞬間、マップ上でキャラクターがゆっくりと尻餅をついたり、崩れ落ちたりする動きは、妙な現実感があります。

　個人的な思いを語らせてもらうと、私は特にリゼイにベタ惚れ。
　理由はたくさんあるでんすけど、まずはあのアーマーですね。明らかにセーラー服をモデルにしていて、制服好きの私の嗜好に思いっきりヒットしました。これでスカーフなんかしていたらもっと最高だったんだけど。
　登場の仕方もいい。最初の面でレムリアに宣戦布告するラヴィアンスリーに対し、アルギレイアが「出でよ、電脳獣リゼイ！」と号令することで、どこからか突然出現するのです。やっぱり悪の手先はこうじゃなきゃいけません。
　各面のほかのボスが洗脳された一般人であって、基本的に悪意のない存在であるのに対し、リゼイはレムリア帝国が作った根っからの悪役。最初はボスだったのに、７面からはザコとして複数登場、この転落ぶりを楽しみながら、バシバシ倒すことができます。
　おまけに９面のマップは、リゼイの培養工場。培養液の中で、育ちかけているリゼイを見ていると、悪のザコっぽさがプンプン匂ってきます。こりゃーたまりません。
　ゲームの様子を知る手がかりとして、画像をつけましたが…掲載されているでしょうか。（管理者注：今回は見送りました）掲載されていない場合は、何を言っているのか、よく事情がわからないでしょう。つい独白に走ってしまって、ゴメンナサイ。

　残念ながら、この手の敵が女というシュミレーションＲＰＧは、ほとんど見かけなくなってしまいました。その原因をつきつめていくと、ヤラレマニアにしか良さがわからない無理のあるゲームにならざるを得なかった、ということにありそうですナ…。
　ちょっと前に出た同じようなゲーム性の『レイカーズ』シリーズは、ロングヒットになりましたが、こちらはヤラレ要素をほとんど排除している（私的には）クソゲーム。でも世間ではこちらのほうが受けるんだよなあ、と、ひとり歯噛みして悔しがったあのころが懐かしいです。