用語集
- 官能時代劇(かんのうじだいげき)
- お色気時代劇、字面そのまま。ポルノ時代劇などとも銘打っていたようです。もう聞かない言葉ですねぇ。それでも山田風太郎の「くノ一忍法帖」なんかは割と最近映像化(Vシネマ)されましたから、ご存知の方もいるでしょう。あんな感じのです。この分野は20〜30年以上前あたりが全盛期なのではないでしょうか?それだけ時代劇が廃れたという事なのかもしれません。時代劇に限らず、当時の日本映画は暴力と官能を結びつけた女闘美感覚に溢れた作品が豊富で、今よりずっとメチャクチャ(誉め言葉)だったようです。
- キャットファイト
- 「女同士の喧嘩」を指す隠語です。似てはいますが女闘美より狭い概念です。喧嘩、もしくは何らかの格闘試合(特にプロレスとボクシング)が定石です。「牝猫の喧嘩」なためか、あんまり集団戦闘とかは無いみたいですね。あと日本のキャットファイト愛好は「スポ根」「闘魂」というようなモノが精神的背景に根強く、それが証拠に、国内のキャットファイト系サイトには「露骨なエロはやりません」などと言っているところが結構あります。けれどもキャットファイトは根本的にポルノグラフィーであり、エロ抜きではお話にならないものです。
- 個人的には女同士しか認めていませんが、「女対男」という変種(ミックスファイトと言うらしい)も存在します。この場合「屈強の女に屈する貧弱な男」という図式になります(そうでないと倒錯になりませんもんね)。でも本当にこれ「キャットファイト」と言っていいんでしょうか??
- ※ミックスについては「キャットファイトではないが1枚の紙の表裏のように関連の深いネタ。人によっては切っても切れないほど重要」とのご教示を頂きました。なるほど。
- シャーマン
- ここで言うシャーマンは一般に言うところのそれ(つまり「巫女」「呪術師」)ではなくて、永井豪原作のTVアニメ「ゴッドマジンガー」に登場する敵の女性部隊です。見事な美体を申し訳程度の布に包み、勇猛果敢に踊りかかって来るのだからもうたまりません(笑)。みんな美人なのに作中での扱いには一切の容赦が無く、その凄惨苛烈な散り様はほとんど唯一無二と言っていいでしょう。酷い描写の一方で、死ぬと消滅する演出が儚げです。準レギュラーで出番が多く、ほぼ全編にわたって存分に楽しませてくれます。あくまでも悪役なんですが、その描写は残酷なだけでなく、ある種凛とした魅力(「誇り」「結束」「使命感」等)が感じられます。
- デルモ
- OVA「AIKa」に登場する敵のミニスカ女戦闘員です。名前の由来は”モデル”の「業界風言い回し」(?)ではなく「デルモゲニィ」(熱帯産の小魚、つまり”雑魚”)の略です(いやもちろん”モデル”との絡みもあるんでしょうけど…)。可愛らしく元気一杯の下っ端小娘はもちろん、普段は知的で上品な、普通の作品なら荒事とは全く無縁に違いない上級士官の皆様すら容赦無くブチのめされます。人死にこそありませんが描写そのものはハード&ダイナミック。イカシた描写、爽快なお色気、高水準の作画ともあいまって一般的にも人気の高いやられキャラです。
- 肉体消滅(にくたいしょうめつ)
- 死んだ敵の肉体がその場で消えること。相手が人間ではないという事を明示・強調する事によって善玉側の「殺し」に対する免罪符とするいかがわしい方便です。画面が惨たらしくなるのを押さえる効果もあり、特に雑魚キャラにおいては多数の死体を作画する手間が省けるという副次的な利点もあります(活字媒体の場合はあまり意味がないが、アニメでは非常に多用されている)。
- 儚げな印象の為、女性悪役の散り際としては我々愛好家の間で根強い人気があります(マゾーン、シャーマン、水鬼姫など)。一方、この表現には怪奇・無残な描写(溶解など)も可能で、その場合は(特に下っ端の)悪の末路の悲惨さ、惨たらしさが強調され、それはそれでなかなか趣があります(ただし事例は極少)。
- 別式女(べっしきめ)
- 武家の奥向きに武芸で仕える女性。忍であるくノ一と違い公然の存在で、士分です。
- ヘボやられ
- やられ役(特にザコ)っていうのは主人公をはじめとする正義側の主要戦闘要員に比べて基本的に弱い存在です(引きたて役ですからね)。それが極端な場合にはとてつもなくつまらない事で(「スペランカー」の主人公並に)あっけなく死んだりします(「マゾーンにとっての火のように極端な弱点を背負った場合もこれに該当)。こういう恥辱的な描写、「おまえら一般人より弱いんじゃないか!?」と思わず突っ込みを入れたくなるようなヘボいやられっぷり。それが「ヘボやられ」です。こういうカッコ悪いやられ方には下っ端ならではの趣があります。
- マゾーン
- 松本零士原作のTVアニメ「宇宙海賊キャプテンハーロック」に登場する敵宇宙人。人間の女性そっくりの姿をしており、しかも皆美しい。肌の色は淡いブルーですが、地球の大気に触れると何故か肌色や白に変わります。頭髪は青もしくは緑色。その正体は植物生命体で、女性に見えますが雌雄同体です。体組織がかなりの引火性を持っているのが弱点。マッチ1本で見る間に燃え尽きてしまう脆い命です。
- 死ぬと青白い炎をあげて燃え上がる幻想的な散華。独特の悲鳴。全体に生命力が薄く、どこか浮世離れして儚い雰囲気は、数ある女性やられキャラの中でも独特の魅力を持っており、我々愛好者の中でも根強い人気があります。
- 女闘美(めとみ)
- 女闘美と書いて「めとみ」と読みます。女闘美とは女闘見、つまり「女」性が「闘」う事を「見」る(=愛でる)性的嗜好の事です。言葉の成立時期はともかく、女相撲見物など嗜好そのものは日本開国より遥か以前からあったようです。私の嗜好も広義にはここに含まれると思います。
- やられ
- このサイトの核心を成す概念(笑)。物語に敵として登場する女性が戦ってやっつけられる事、つまり「やられちゃう」事。生命の有無は問いませんが(表記が「殺られ」ではなく平仮名なのはそのため)原則は戦闘。処刑や自決はあくまでも例外です。こういうやられ役の女性キャラをここではもっぱら「やられ女」と称しています。でも実はこう言ってしまうと同じ「やられ」でも「犯られ」という雰囲気が強くなり、実際、検索エンジンにかけてみるとそういう結果になってしまうんですよね(笑)。もっと適切で魅力的な呼称を考えています。
- MNL
- MidNight Ladiesの略。つまりこのWEBサイトの事。
脚注
- ←「日本のキャットファイト愛好は「スポ根」「闘魂」というようなモノが精神的背景に根強く」
- その有様は日米間の女子プロレス文化の違いに相似しています。
でもなんだか最近はもう「それはそれでいいんじゃないか?」という気分になってます。と言うより、もう「自分にとって関係のない話題」という認識で、すっかり関心が薄くなってしまったのです(個々の描き手・書き手に関してはまた話は別ですが)。以前より遥かに本格的なサイトも出てきてジャンルとしての盛り上がりは感じます。うらやましい。
- ←「一般的にも人気の高いやられキャラです」
- コミケ等でコスプレのネタにされたヤラレ下っ端女なんて他に知りません。やはりスタイリッシュでカッコ良く、扱いが重いからでしょう。
- ←「とてつもなくつまらない事」
- だいたい特撮系の戦闘員なんてちょっと殴る蹴るされただけで簡単に死んじゃいます。くノ一系なら手裏剣の先っちょが刺さっただけとか…。ただの女子供にやっつけられるというのもイイですね。
- ←「スペランカー」
- ファミコンのアクションゲーム。主人公がすぐ死ぬ事で有名。すべって転んだだけで死にます。
- ←「もっと適切で魅力的な呼称」
- 例えば「やられ娘(やられこ)」「やれれっ娘(やられっこ)」なんてのもあります。可愛くていいんですが雰囲気としてそぐわない場合もあるんですよね(劇画キャラとか熟女系とか)。